自分は若い頃に10年位スケボーをしていました。
今でこそオリンピックの競技になり、スポーツの側面も持つようになりましたが、当時はサブカル要素が強く、少し近寄りがたい雰囲気がスケボーにはあったように思います。
今のスケーターに比べると、当時は癖のある独特のスタイルを持っているスケーターが多く、それ故音楽やファッションと非常に結びつきも強く感じました。
今回は自分が若い頃に見ていて、影響を受けたビデオを紹介します。
厳密に言うと、ビデオ全体というか、印象に残っているパートの紹介になります。
音楽や音楽に合わせた編集等、とてもかっこいいので是非ご覧ください!
Adrian Lopez Zero「Dying to Live」
Rider : エイドリアン・ロペス
Team:ZERO(デッキブランド)
Video:Dying to Live
当時のZEROは、ジェイミー・トーマスを筆頭にとても人気のあるチームで、エイドリアン・ロペスもとても人気がありました。自分はあまりZEROのデッキは使っていなかったのですが、一度だけマット・マンフォードのモデルを使った事があります。
このビデオのロペスのパートで一番記憶に残っているのは、音楽です。この時期のビデオでは、ロック・パンクが多い印象でしたが、随分と渋い曲のチョイスに驚きました。
ロペス自体は、とてもキレのあるかっこいいスタイルの滑りで、ビデオ序盤の廃車にノーズピックをかましている所や、中盤辺りの、ノーズグラインドからのフリップテールマニュアルの所が一番好きです。マニュアルからアウトした時の態勢がなんともかっこいいです。
Keith Hufnagel REAL「REAL To Reel 」
Rider : キース・ハフナゲル
Team:REAL(デッキブランド)
Video:REAL To Reel
「REAL To Reel」は、当時スケーターの中で割と話題になったビデオで、自分も買いました。
当時のREALは、ネイト・ジョーンズやマーク・ゴンザレス等、スタイルのかっこいいスケーターが多く在籍していて、ハフナゲルは、プッシュの早いぶっ飛び系のスケーターで一時期憧れていました。
大阪のパークで一度、Stüssyのツアーか何かで実際に見たことがあります。やってる事の次元が違い過ぎて度肝を抜かれました。
このパートの音楽がとても好きで、女性の綺麗だけど力強い声とハフナゲルの滑りがとてもマッチしています。
また、ベンチを立て続けにオーリーしたりと、他のライダーはしないようなハフナゲル独特の滑りもとてもかっこいいです。
Mark Appleyard Flip「Sorry」
Rider : マーク・アップルヤード
Team:Flip(デッキブランド)
Video:Sorry
自分と同世代のスケーターで、Flipの「Sorry」を知らない人はいないだろう、と言える位当時は超話題になりました。もちろん自分も買いました。
とにかく当時はFlipが大人気で、そのFlipのライダーの多くが「es(シューズブランド)」というチームにも属していたので、デッキはFlip、シューズはesというスケーターが沢山いました。
アップルヤードは、当時一、二を争う実力者で、見た目もイケメンだったので人気がありました。
シューズは「C1RCA(サーカ)」というブランドと契約していて、自分もサーカのシューズをたまに履いていたりもしましたが、値段が高めの設定だったのであまり履けませんでした。
アート・サリやバスチャン・サラバンジらと共に、回し系の高度なトリックでハンドレールを攻める、新しいタイプのスケーターだと当時は認識していました。
このパートの中でも、他のプロスケーターと比べても難易度の高いトリックを沢山していいます。
因みに、冒頭に出てくるおじさんは、元セックスピストルズのジョニー・ロットンです。
Ali Boulala Flip「Sorry」
Rider : アリ・ボウララ
Team:Flip(デッキブランド)
Video:Sorry
前述のアップルヤードと同じFlipの「Sorry」のボウララのパートです。
ボウララは、いつも酒を食らっている、頭のイカれたパンクスケーターのイメージが強いです。
当時の豪華なFlipのメンバーの中では、技術的には多少劣る感じはしましたが、とにかくスタイルが独特で、パンク系のファッションをしているスケーターからはカリスマ的な人気を誇っていました。
とはいえ、上手い事は間違いなく、パート中盤辺りの角度のない即席バンクで完璧なフリップを決めている場面は流石です。
パートの終わり頃に、モンスターステアにオーリーダウンで挑んで失敗している場面は、とても話題になりました。この失敗で両足を骨折した事で、この場面は語り草となりました。
Anthony Van Engelen DC SHOES「The DC Video」
Rider : アンソニー・ヴァン・イングレン
Team:DC SHOES(シューズブランド)
Video:The DC Video
「The DC Video」も当時大きな話題になったビデオの1つです。この頃のDCのメンバーも豪華で、ジョシュ・キャリスやスティーブ・ウィリアムス、ブライアン・ウェニング等、ビッグネームの実力者が揃っていました。
このパートは、スピード感のある音楽とイングレンの滑りのスタイルがマッチして最高にかっこいいです。
当時、イングレンのニックネームは確か「ノーリーマスター」だったと思います。その名の通り、パートでは、ノーリー、スイッチ系のトリックが多く収められています。
Kris Markovich Element「3rd Eye View」
Rider : クリス・マコービッチ
Team:Element(デッキブランド)
Video:3rd Eye View
これはかなり古いビデオで、自分がスケボーを始めるよりも前の物になるのですが、自分がスケボーを始めた当初は、Elementはとても人気のあるブランドで、自分もビル・ペッバーのモデルのデッキをよく使っていました。
マコービッチの滑りはとにかく厳ついというか、男らしい感じの滑りで、レッドツェッペリンの力強い歌声に最高にマッチしています。
このパートの音楽に使われているレッドツェッペリンの「Trampled Under Foot」は、自分の好きな曲の1つでもあります。
Daewon Song Deca「2nd to None」
Rider : デーウォン・ソン
Team:Deca(デッキブランド)
Video:2nd to None
デーウォンは、自分の大好きなスケーターの1人で、魔法使いなんじゃないかと思う位テクニックが凄いです。おそらく彼は、自分がやりたいと思った事は全てスケボーで表現できるんじゃないかと思っています。
デーウォンのファッションも時代を感じさせます。今は、スタイリッシュな着こなしをするイケ叔ですが、当時はゴリゴリのヒップホップヤンキースタイルです。
また、この「2nd to None」は、日本を代表するレジェンドスケーターの岡田晋さんもDecaのメンバーとして参加した事で大きな話題になりました。
異次元のマニュアルトリック等、圧倒的なテクニックをご堪能下さい。
Haruki Funabashi METROPIA「DEATH/RE-BIRTH」
Rider : 舩橋春貴
Team:METROPIA
Video:DEATH/RE-BIRTH
最後にご紹介するのは日本のビデオです。
当時、東京にあったMETROPIAというスケートチームの「DEATH/RE-BIRTH」というビデオです。
この頃のMETROPIAは、日本を代表する有名なスケーターが多く在籍していました。その中でも舩橋さんは、若手ながら「天才」と呼ばれている存在でした。
このパートに流れている音楽は、SISTER KAYAの「やさしい雨」という曲です。おそらく知っている人は少ないんじゃないかと思います。自分もこのビデオで知りました。
とても素晴らしい曲なので、曲だけの動画(https://youtu.be/Y5G1qpircv4?si=vhQKE265Hj_3KEU5)も貼っておきますので、是非聴いてみて下さい。
当時の日本のスケボービデオの音楽は、ハウスミュージックやヒップホップが主流だったのですが、まさかの日本の曲で、しかも凄くローテンポ。今までにないスケートビデオの世界観だったのですが、舩橋さんの雰囲気や生い立ちにリンクして、少し芸術作品のようにも見えてしまいます。
まとめ
あの時俺は、若かった・・・。



















